■途方にくれる夕暮れ
■強くはない雨の降る暗い街。駐車場から車を出し、少し走った交差点で止まると、丁度FIFAワールドカップ3位決定戦のキックオフ。ドイツとポルトガルの試合を道中のお供に石徹白C&R区間へと車を走らせます。高速に入った頃から強くなってきた雨脚の中、前方にブルーのドイツ車。追い越すと運転しているのは洋さん。途中のサービスエリアでご挨拶し、白鳥町のコンビニで昼食を買い、濃霧の桧峠を越えて、スキー場駐車場に車を停めるとサッカーの試合が丁度終わったところでした。私と洋さんの車だけの駐車場から峠川を覗くと若干大目の水量。例によって他愛もない話をしながら支度を整え、洋さんはそこより上流。私は旅館裏プールから攻めることにします。
■不得手なポイントは水量が増えてもやはりダメ(あくまでも拙い私の場合です)。時間も早過ぎたのか相手にしてもらえませんでした(笑)。集落に7時のサイレンが鳴り響いて少し経ったころから、プールより上流にいた私のフライにオサカナが出てくれるようになりました。そこからスキー場への橋までの間で4尾のイワナ、アマゴ(全て7~8寸程度)を釣り、駐車場下のプールでは数度のアタックはあったもののフッキングできず、釣り上がりの速度を速めます。途中にあるプールでキレイなアマゴを追加し、ポイントを飛ばして洋さんを探します。アマゴ園付近の流れに立つ洋さんを見つけ、そこから再び入渓。無視できない流れにパラシュートにしたテレストリアルをアップストリームにキャストすると、開きの少し手前で大きな影が出てきました。フッキングに成功し、ロッドに掛かる抵抗からも大物だと喜んだのも束の間、急に下流(私方向)に走り出し、慌ててラインを手繰りますが、バレてしまいました。ま、そういうこともあります(^^ゞ。 ■曇天ながら雨は上がり、ランチ&コーヒーブレイクの後は二人で旅館裏プールから釣り上がり、所用で夕方には名古屋に到着していなければならない洋さんのタイムリミットぎりぎりまで粘りましたが、7、8寸のイワナを数尾釣っただけで尺上は出ません。残念そうな表現になってしまってますが、最大28cmのイワナ、アマゴ(小さくても22センチ程度)を、ツ抜け間近まで釣ることができればフツーは大満足!しなくちゃね。それも狙ったポイントから(我々なりに)的確なドリフトでオサカナを引っ張り出して釣っているわけですからネ。贅沢に慣れちゃいけません(笑)。ただ、石徹白C&R区間の渓には、釣り人を貪欲にさせる底知れぬポテンシャルがあるということかもしれません。 ■名古屋に帰る洋さんを見送り、1時間ほど仮眠をとってから、今まで釣りをしたことのなかったC&R区間下流部を攻めてみました。長い廊下状のプールがある堰堤下で石に腰掛けて水面を観察しているとあちこちでライズが。それもダンを捕食しているような顔を出すライズです。この日、洋さんが使い続けて好結果を出している(セミトラVフィルムでアブダメンを巻いた)CDCダンを、長めにしたティペットに結び、キャストします。渓魚が身を隠すに充分な大きさの底石が点在する水深のある流れは見た目以上に複雑で、ただアップクロスに投げてドリフトさせるだけでは微妙なドラッグがかかるのか、フライの下までくる彼らを捕食まで持ってくることができません。そこで、狙うポイント(捕食点)を予想し、ドラッグフリーで流せる距離(私の場合1メートルもないです(^^ゞ)だけ上流にフライを落とすことを意識して攻めることに。その方法が功を奏したのか、そのプールだけで数尾のイワナを釣上げることができました。8寸足らずばかりでしたが、フッキングすると元気良く流れを泳ぎ抵抗するキレイなイワナを私なりの戦術で釣ることができて大満足。私自身はこんなスタイルがフライフィッシングらしくて大好きです。 ※尺上が出るなんて滅多矢鱈にあることではありませんが、それを毎回期待して釣り人は出かけてしまいます(笑)。そんな甘い期待に高確率で応えてくれる石徹白の流れには畏敬の念を抱かずにはいられません。石徹白から帰って、この日使った(悪あがきの痕跡)フライを眺めてみると、それぞれのフライに対するイワナ、アマゴの反応がよみがえってきます。それにしてもイロんなフライ使ってしまうんですよね、石徹白では(笑)。底知れぬ石徹白のポテンシャルに応えるため、今夜もフライを巻き巻きです(^^ゞ。
by godzilla2004
| 2006-07-10 20:56
| ■フライフィッシング
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Comments(8)
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tokyo_terry at 2006-07-11 01:07
godzillaさん、おばんです。
アマゴの形相が凄いですね、コチラを睨んでるような写真ですね。 それにしても峠川は魚影が濃いので、イブは楽しそうですね。ボクの大好きな里川では、イブを期待して待ってても始まらないまま、真っ暗闇になる事もしばしば。ソコソコ結果がでてるので、イイじゃないっすか!(笑)写真最後のフライパッチの右から二列目はディアヘア・ホッパーっすか?楽しそうな毛鉤を使ってますね!!こんなの見ちゃうと深夜にもかかわらず、巻きたくなります(笑)
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dadlife at 2006-07-11 08:27
godzillaさん、おはようございます。(^^)
相変わらず修行を楽しまれてますね。フライの数を見ただけでも、考えながらのローテーションだろう事が、見てとれます。(自分は下手な鉄砲です・笑) 自分は左から2列目上の白いフライ(名前分からず)が好きです。カッコイイからですけど・・。(相変わらず低レベルですみません・汗)
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godzilla2004 at 2006-07-11 12:11
terryさん、こんにちは。
撮る角度もあるのでしょうけど、ここのアマゴは体高があって野性味たっぷり!。迫力あります。 そうなんですよね。昨年まで、イブニングは馬瀬川とか吉田川支流が多かったんですが、良形1尾釣れたらそれで大満足して帰ってこれたのに…。贅沢なこと言ってちゃダメですよね^_^;。 マドラーミノーのつもりが、いじくっているうちにディアヘア・ホッパーになっちゃったフライですね(笑)。コオロギとかバッタを見かけますので、使ってみましたが、大物は出てくれませんでした。次回はこれか、シケーダーで尺上狙いますよ!
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godzilla2004 at 2006-07-11 13:05
dadlifeさん、こんにちは。
そんなに考えてはいない訳ですが(^^ゞ、フライを取り替えるのは好きです(笑)。取り替えた途端に反応が良くなることもありますからね。「どれにしようかな、神様の言うとおり」…これじゃ「苦しいときの神頼み」ですね。という訳で、私も「下手な鉄砲…」スタイルですヨ(笑)。 シティミレーターっていう(舌を噛みそうな)名のフライですけど、視認性を揚げるため、白のディアヘアをウィングとテールに使ってます。前回はこれに出てくれたんですが、今回はダメでした。いやぁ、難しいものですわ(^^ゞ。
godzillaさん、こんばんは。
フライパッチの並んだフライの数々、皆サイズが大きくて夏を感じますね。昼間はどんなローテーションされたのかな。魚を確認してからのフライチェンジはいつもワクワクしますよね。今シーズン中に一度は峠川にいこうと思ってますので、復帰後またよろしくお願いします。
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godzilla2004 at 2006-07-11 21:35
ねねこさん、こんばんは!
釣りから帰ってフライパッチを眺めるのが好きなんですよね。この写真でもピーコックハールが捲れていたり、外そうとしてフォーセップでスレッドを切ってしまい、ハックルが取れかけていたり…なんてね。釣れた証拠でもありますから、次に何を巻くかもその時に考えたりします。 あの日は、朝はコカゲロウ系、少ししてアント系(効果ありました)、パラシュートタイプのテレストリアル(これも効果あり)、堰堤下のプールではダントツにCDCダン。イブニングでは本文通りってローテーションでした。総じて大き目のテレストリアルは利きが悪かったですね(あくまでも私の場合です)。 峠川、是非ご一緒に!メールしておきましたので、ご一読ください。
godzillaさん、こんばんは!日曜日はお疲れ様でした♪
渋いなりにも楽しめましたね~。 サイズも数もそこそこ出たのに、石徹白にいると ホント「もっともっと」って思っちゃいます(笑) 改めて素晴らしい渓だと思いましたね。 あぁ、イブまでご一緒したかったなぁ^^
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godzilla2004 at 2006-07-12 23:31
洋さん、こんばんは!お疲れ様&お世話になりました♪
他の渓流での「イイ釣りしちゃいました」は、石徹白だと「渋かったぁ」になってしまいます(^^ゞ。でも、一筋縄ではいかないのも石徹白の魅力です。洋さん特製CDCダンも石徹白で花開きましたね。イロイロなこと、特に工夫することを教えてくれる素晴らしい渓です♪ イブニングも、一人で寂しい中、寂しさを感じる間もないほど、焦りながらも楽しめました。またご一緒してください。
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